私が退職を決めたのは、32歳のときでした。7年間勤めた会社での日々は、やりがいもあったけれど、徐々に心と体のバランスが崩れていくのを感じていました。残業が続き、休日も仕事のことを考えてしまう。そんな生活に疲れ、退職という選択肢が頭に浮かんだんです。最初は不安でいっぱいでしたが、退職を機に新しい自分を見つけることができた体験を振り返ります。
退職を考え始めたきっかけは、ある日の通勤電車でした。満員電車の中で、ふとこのままでいいのかと疑問が湧いたんです。仕事は安定していたけど、情熱が薄れ、ただ惰性で働いている自分に気づきました。上司に相談する勇気はなく、まずは信頼できる友人に話してみました。すると、退職してフリーランスになったり、転職したりした人の話を聞いて、少しずつ行動する勇気が湧いてきました。とはいえ、収入や将来の不安は大きく、決断まで半年以上悩みました。
退職を決意してからは、まず貯金を確認し、しばらく生活できる目途を立てました。会社には3ヶ月前に退職の意思を伝え、引き継ぎを丁寧に行いました。上司や同僚は驚いていましたが、応援してくれてほっとしたのを覚えています。最終出社日、職場を後にする時は、寂しさと解放感が混ざった不思議な気持ちでした。次の仕事は決めていなかったけど、自由な時間が手に入ったことで、頭の中がクリアになったんです。
退職後は、まず自分を見つめ直す時間を作りました。趣味の写真を再開したり、以前から興味があったオンラインのデザイン講座を受講したり。会社員時代にはできなかった、朝ゆっくり散歩する時間も新鮮でした。3ヶ月後、知人の紹介で小さなデザインの仕事を引き受け、それがきっかけでフリーランスとして活動を始めました。最初は収入が不安定で焦ることもありましたが、自分のペースで働ける喜びは大きかったです。
退職して学んだのは、自分を信じて一歩踏み出す勇気です。会社を辞めるのは怖かったけど、その決断が新しい可能性を開いてくれました。今は、自分の好きなことを仕事にできて、毎日が充実しています。もちろん、失敗や不安もあります。たとえば、仕事が少ない月はドキドキします。でも、会社員時代には感じられなかった自由とやりがいがあるんです。
退職は、人生の終わりではなく、新しい始まりでした。あのとき一歩を踏み出してよかったと心から思います。これからも、挑戦を恐れず、自分の道を歩いていきたいです。

